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2006年04月04日

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる

この手の新書としては驚異的な売れ行き、そして私が運営する日記での書評が広告に掲載されたことなど、 (個人的には)言わずと知れたマストな本となりつつありますが、この本に関する奥出研解釈を端的に、私なりに。

梅田さんが本著で述べている「こちら側」と「あちら側」をどちらも否定せず肯定し、 それらを我々が生み出す「もの」でつなげていくことが出来るのではないか? それが奥出研のドメインになるだろうと思っているのです。 奥出研の研究ドメインの一つである「ユビキタス・コンピューティング」の研究は言ってしまえば、 未だ「タンジブル・コンピューティング(MITが発端)」の延長にとどまっているように思います。 マーク・ワイザーがHot Topicsで提唱した仮説はまだ実現していません。 それは本著で解説されているようなウェブの世界の「本当の大変化」と、どこにでも偏在するコンピューティング環境や物と組み合わさったときに、 初めて一つの成果がでるタイミングになるのではないかと考えています。

本著を読むこと、奥出研での今までの研究を振り返ること、ウェブの「動き」を自分で体験していること、そしてこれからのこと。 現時点でうまくまとまらないのが問題ですが、非常にわくわくする経験です。 まだ読んでいない人は是非一読を(といっていろんな友達に言っていてもう直接20人くらいに買わせたな笑、評判はいいよ)。

参考

仕事のやり方間違えてます―成功を手にする「理系思考」10の法則

奥出研究室では日々「21世紀のものづくり」をしているわけですが、 こうした新しいものをつくるにはその「つくり方」が非常に大切になってきます。 奥出先生はこの「つくり方」とりわけ「プロセス(過程)」について、学生に対してアドバイスや助言を重要視しています。 これはデザイン会社IDEOの理念とも幾分通じる点がありますが、 よく出来たものづくりの「プロセス」を誠実に守れば、そこそこいいものが作れるのではないかと私自身も思っております (これが「そこそこいいもの」から世の中に認められる物にするまでには個人の力量などが関わってくると思いますが)。 こうしたものづくりの「プロセス」について、奥出研独自のプロセスがある程度確立されてはいますが、 それらも流動的に日々変わっていますし、個人各々によっても捉え方が違います。 ですが、参考すべき「プロセス」というのものがいくつか存在して、今回紹介する本にはその一つについて書かれています。

仕事のやり方間違えてます―成功を手にする「理系思考」10の法則

仕事のやり方間違えてます―成功を手にする「理系思考」10の法則 仕事のやり方間違えてます―成功を手にする「理系思考」10の法則

著者は東大MOTなどで有名な東京大学大学院教授の宮田秀明氏。 本著で注目すべきは61ページにある「創造のプロセス」と書かれた図です。 この「創造のプロセス」は今から2年前の2004年度春学期から奥出研に一部導入され、現在も参考になっているプロセスの一つです。 本著で挙げられている創造のプロセスとは簡単にテキストで書くと以下のようになります。

ビジョン→コンセプト→モデル→デザインソリューション
→意思決定テスト→実行→ビジョンに戻る

このサイクルの一つ一つの段階について解説が載っているので(奥出研のメンバーにとって)読む価値は十分にあると思います。

また、私が感じたこの本で興味深い点は「ビジョン」という概念を宮田さんが、 経験を通じて効果的に解説している点です。 宮田さん自身、ヨットのアメリカズカップで苦い思いをして、その後「世界一になる」という難しいことだけれども強くビジョンを掲げることの 重要性を体験しています。この宮田さんのヨットのエピソードが本の途中途中に挿入されているのがまたよいです。

この本が特徴的なのは副題にもあるように「理系的」な思考で ものをつくる「プロセス」を私達からしてみれば百戦錬磨の宮田さんが語っていることです。 「理系」というのは(これは男ならではの愛着からかもしれませんが)、新しいものを作り出す、発見する時の高揚感というを自分の中で何かしら持っているような気がします。 本著を読むと「プロセス」について勉強になると同時にこうした「理系的」興奮を奮い立たせるいい機会になることでしょう。

2006年02月10日

Where The Action Is: The Foundations Of Embodied Interaction

必読書2冊目はいきなり英語の本、「Where The Action Is」です。

Where The Action Is: The Foundations Of Embodied Interaction Where The Action Is: The Foundations Of Embodied Interaction

紹介しておいてなんなんですが、実は僕、所有していたこの本を紛失してしまい、手元にないんですよね(笑)。 さらに、ぶっちゃけちゃいますと、全部ちゃんと読んだわけじゃないんですよ(笑)。 ですが、この本は英語で書かれているにも関わらず、奥出研にとってはマストな一冊の一つです。 手元にない、そしてちゃんと読んでないけれども、ここでは強引に私なりの(お粗末な)意見を。

まず、なんでこの本が注目されているのか? それは、これからのユビキタスコンピューティング環境の中で、モノをデザインする時の「考え方」が、 とにかく(奥出研的に)面白くて、こんなこと言ってる人あんまいないからです。 じゃあどう面白いの?ってことですが、これがまた説明するのが難しい(これは僕の力不足です。すいません)。 この本の前半では前置きとして、ユビキタス・タンジブルコンピューティングについてと、 今後コンピューティングが社会的意味を成すという2点が述べられているます。 その後の章に注目。いきなり哲学者の名前がいろいろ出てきて、「現象学」という難しいトピックについて述べられています。 「現象学」と「ユビキタスコンピューティング」、この組み合わせがすごいんです。 いや、私的な感覚で表現すれば「すごいらしい」のです。 そして、この理論で奥出研はモノを作っているのです。 僕自身言葉で表現できないのですが、たぶんそうなんです。

紹介しておいて「らしい」とか「たぶん」とかごめんなさい。勉強し直します。 とにかく、著者Paul Dourishが掲げるこの理論は奥出研においてモノづくりの基礎となりますので、 必見であります。

ちなみに、著者のPaul Dourishさんとは奥出先生をはじめ何人かのメンバーは一度会ったことがあるようです。 また、 Paul Dourishさんは今年9月に行われるUbiComp 2006の、 Program Co-Chairsを務めます。

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2006年02月09日

発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法

奥出研で学ぶに当たって、これは読んでおきたいという「必読書」を紹介していきます。

まずはなんといってもこの「発想する会社!」

発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法 発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
  • トム・ケリー Tom Kelley ジョナサン・リットマン Jonathan Littman 鈴木 主税 秀岡 尚子
  • 早川書房 2002/07/25
  • Amazonで詳しくみる

Palmやアップルのマウスのデザインを手がける世界でトップクラスの「デザインファーム」がこのIDEOです。 (IDEOの実績についてはこちらのページを参考にしてください→ ideo.com :: Our Work) 多くの一流企業をクライアントに持ち、斬新なアイデアを次々と生み出すIDEOの「イノベーションの技法」が、 ポップな装丁の本の中につまっています。 はっきり言って、奥出研ではIDEOのユビキタスコンテンツ版を目指しているとも言えるでしょう。 以下に奥出研が踏襲しているIDEOのメソッドについていくつかを、本の章と対応させて挙げておきます。

第3章 イノベーションは見ることから始まる
奥出研では、作るモノのテーマが決まったら、それに関する現場にフィールドワークに行く。 何が起こっているのか、何が求められているのか、この「見る」ということなしに 経験はできない
第4章 究極のブレインストーミング
「とにかく数を出す」といったブレストのルールから、ホワイトボードの使い方まで、チームミーティングの参考に
第6章 プロトタイプ製作はイノベーションの近道
アイデアをすぐに形にすることによって奥出研でいう「プルーフオブコンセプト」が可能になる
第7章 温室をつくろう
プロジェクトを進めるにあたって「環境」というのが一番大事。IDEOのオフィスもかっこいいけど、 DNPハウスもそれに負けず劣らずを目指している

参考サイト: