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2006年02月01日

奥出研の授業 - チーム発表

奥出研の授業は90分の授業が週2回行われています。 そのうちの1回がこの「チーム発表」の授業です。 奥出研では春学期、秋学期といった半期を基本単位として3人から5人くらいの人数のチームがものづくりを行っていくのですが、 そのチームの進捗状況を発表するというものです。 例えば、2005年度秋学期を例にとると、このチーム発表は毎週金曜日に行われています。 各チーム発表が5分間でそれに対する先生からのコメントが3分間、 これを全チームが行うのです。ちなみにチーム数は11チーム。 授業を聞くだけでも結構ヘビーなのですが、 プレゼンするとなるともっとヘビーです。 というのはこの「先生からのコメント」というのが、 なかなか厳しくそして的確なので、各チーム「ちゃんとした」資料を用意して、 「ちゃんとした」発表をしなくてはいけないからです。 チームがうまく進捗していないと先生から厳しいクリティックが入ります。 というわけで、毎週この「チーム発表」を目標に各チームがミーティングを行い、 「チーム発表」前日には研究室に泊り込みで資料を作成するなんて場合もあります。

ポワーポイントは禁止!

チーム発表はチームの中の誰か1名が前に出て、プロジェクターにスライドを投影させて発表を行っていく、という スタイルをとります。そこで投影するスライドは各自もちろん自分たちで工夫して作るわけですが、 一般的なスライドというと「パワーポイント」を使って作るというのを想像しますよね。ところが、 奥出研の場合は「パワーポイント禁止」なのです。 この理由は様々あり、また、奥出研以外にも「パワーポイントを使うことのデメリット」を公言している方もいるようなのですが、 簡単に筆者が考える理由を説明します。 それは、パワーポイントを使うとあまりにも簡単にスライドができてしまう、しかし、 そのように出来上がったパワーポイントのスライドはただの「箇条書き」に過ぎないものになってしまう。 これでは、ものごとを論理的、図解的に把握できない、ということです。 では、奥出研の発表ではどのようにスライドを作っているのかというと、 だいたいAdobeのイラストレータを使って図を書いてPDFにする、もしくはFlashを使って作る場合もあります。 「スライドごときにイラストレータ!?」とびっくりされるかもしれませんが、 全てのチームがこのイラレもしくはFlashを使ってプレゼン資料を作っているのです。 今改めて考えてみるとこりゃすごいことだな、と思います。 イラストレータは操るのに技術が必要ですが、やはりパワーポイントを使ったスライドと比べると、 明らかに表現力が違ってきます。ものごとを図(スキーマとも言われてます)で思考し、それを美しく表現する、 するとプレゼンの質もおのずと上がるわけです。 ということで、奥出研ではこのヘビーな「チーム発表」を通して、チームが進行し、そして多くのことを学んでいくのです。

2006年01月30日

奥出研究室とは

奥出研究室とは慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパスのプロジェクト科目つまり、 一般的には「ゼミ」と呼ばれている授業の一つです。 とは言うものの我々が「研究室」と呼ぶときは、 研究室のメンバー全体もしくは、ゼミを行う”部屋”を指すことが多くて、 授業自体は「研究会」と呼ばれています。 奥出研究室に関する一般的な情報については奥出研究室の公式ホームページをご覧ください。 ここでは私の見解で、「奥出研究室」の特徴をざっくりと解説したいと思います。 また、研究会の授業自体に関しては後ほど解説いたします。

「21世紀のものづくり」をする研究室

奥出研究室では大きく分けて2つのことを実践を通じて学んでいきます。 その一つがこの「21世紀のものづくり」です。 と言っても、もう既に時は2006年、とっくに21世紀じゃないか、と突っ込まれてしまいそうですが、 その表現についてはちょっと置いとかせてください。 これはどういうことかと言いますと、 最近巷でも耳にするようになった「ユビキタス社会」が21世紀の中ごろにはやって来て、 いたるところにコンピュータが埋め込まれて、さあそういう社会になったとき、 どんな「もの」があったら楽しいか、嬉しいか、そういう「もの」を作ろうじゃあないか、 ということです。かなり抽象的な表現になってしまったので、この「21世紀のものづくり」に関しては、 後ほど別に解説します。

「プロデューサー育成」研究室

「プロデューサー」としての力、これが奥出研究室で学べるもう一つのことです。 奥出研では上記した「21世紀のもの」を3人から5人くらいの少数のチームで、 半期を基本単位として「つくって」いきます。 半期というのは4月から7月までの春学期と、9月から2月頭までの秋学期のことです。 学期の始めにチームが結成されて、「さあ何作ろうか」という話から始まり、 実際に作るもののテーマが決まったら、フィールドワークに行って、 経験を取ってきて、ミーティングして、アイデア・コンセプトを決めて、 決まったら、プロトタイプを作って…、そして学期の終わりには最終発表を行い、 成果物をデモンストレーションします。詳しいプロセスに関しては後述しますが、 ようはものをつくっていく過程で、自分を含めた人をマネージメントする方法や、 プロセスをマネージメントする能力=プロデューサーとしての力がつくということです。

最高の研究”室”? 「DNPハウス」

奥出研の授業が行われ、チームのミーティングや実際のものづくりを行う場所、それが奥出研究”室”、 通称「DNPハウス」です。慶応湘南藤沢キャンパス内、テニスコートの近くにあります。 周りを木に囲まれ、さらに建物のつくりがログハウスっぽいので、初めて訪れると、まるで軽井沢の別荘に来たかのように感じます。 内部は2階建て+屋根裏物置スペースというつくりになっています。 1階の目玉は前方にある巨大スクリーンでしょう。ガラステーブルを囲みながら巨大スクリーンでプレゼン資料を映し出して、 研究会の授業を行います。また、ものづくりのための様々な道具が備えつけられています。 2階にはチームのミーティングなどで使用するためのテーブルと椅子の組が4組くらいあります。 ミーティングをするときは適当に空いているテーブルの周りに人数分の椅子を並べて、 ホワイトボードを持ってきて、という具合にすばやく環境を作ることができます。 他の研究室・研究会と比べて特徴的なのは、個人に割り当てられたスペースというのが一切ないことでしょう。 学部生を含め、研究会履修者の人数が多いから個人スペースなんて作れねーよ、という現実問題もありますが、 これはあえて個人スペースを作っていないのです。 チームのプロジェクトを進めていくときに何より大事なのは濃密なミーティングという時間です。 そのことからこのような方針で研究室がデザインされています。

1年生から履修OKな若い研究室

履修をするのにはいくつか条件が必要なのですが、学年によって履修できないということはありません。 さすがに学部1年の春から履修する人はいませんが(私の記憶によれば)、 学部1年の秋学期から履修する人はいます。 これはSFC(湘南藤沢キャンパス)の研究会全般に言えることですが、 他の学部や大学の研究会と比べて、とにかく学部生、とりわけ、2年生や3年生の割合が異常に大きいです。 だから私のように修士2年生になると、もはや年長組み。 たまに、若さについていけないなと感じることもありますが、これも一つの特徴で、 幅広い年代の人が集まっているからこそ面白い「もの」を作れるし、奥出研の魅力になっていると思います。

「エグい」研究室?

これはもはや死語になっているかもしれませんが、SFCでは、厳しい・きつい授業のことを、 「エグい授業」というように表現したりします。 では奥出研は「エグい」のでしょうか? 実は奥出研には興味があるけど、履修をしない、近寄らない、他の研究室に行く、 という人の「奥出研を履修しない」理由の多くは「エグい」からということをうわさに聞いたことがあります。 これは統計的に正しいデータではありませんが、確かに傍から見れば「エグい研究室」であることには変わりないです。 だって、週1回プレゼンがあって、チームのミーティングも週2回くらいは最低やらなきゃいけないし、 ちゃんと進歩してないと先生に怒られるし、最終発表近くではデモを動かさなきゃっていうプレッシャーもあるし…。 そりゃあぶっちゃけ「エグい研究室」です。 でも、奥出研の多くの人はその「エグさ」を楽しんで、ものをつくっているように思います (ほんとか?)。 まぁ、エグくても楽しければいいでしょう。

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